ビデオなどの磁気テープに記録された映像や音声は、2025年までにデジタルファイル化しなければ二度とアクセスできなくなり、一気に失われかねない―という警告"マグネティック・テープ・アラート Magnetic Tape Alert”を、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)が2019年に発していることを皆さんはご存知でしょうか?再生機器の製造・保守サービスの完全終了(2023年3月)により、動作可能な再生機が無くなることに加え、技術者の減少と、テープの経年劣化が重なり、映画やメディアアート、記録映像やインタビュー、ホームムービーなど、磁気テープの貴重な映像や記録が、世界中で再生できなくなる、大量絶滅の危機に瀕しているのです。
そこで、国立美術館のクラウドファンディング第3弾では、この磁気テープの映画・映像遺産の危機を広く皆さんに訴えると同時に、皆さんと協同し、磁気テープの映画遺産を救出するプロジェクトを行います。
12月に入り、寒さが増してきましたが、いかがお過ごしでしょうか。本日より、国立映画アーカイブで企画展「ポスターでみる映画史 Part 4 恐怖映画の世界」が始まりました。3千円コースと5千円コースにご参加いただいた皆さまには、先日、展覧会の招待券をお送りしました。ぜひご利用ください。
1万円以上の支援コースにご参加くださった皆さまは、すでにお持ちの「年間パスポート」で本展覧会をご覧いただけます。
そこで、国立美術館のクラウドファンディング第3弾では、この磁気テープの映画・映像遺産の危機を広く皆さんに訴えると同時に、皆さんと協同し、磁気テープの映画遺産を救出するプロジェクトを行います。
日本映画史上、唯一無二の“映画監督による映画監督のインタビュー映画”シリーズ『わが映画人生』(日本映画監督協会製作)を後世まで確実に伝え鑑賞できるよう救うべく、国立映画アーカイブは初の磁気テープコレクションとして、これを受け入れ、現存するすべてのビデオテープ完成原版のデジタルファイル化の一刻も早い完遂を目指します。本プロジェクトでは、より多くの方に映画への理解を深めていただけるよう、本作の上映会や、図書館等で閲覧可能なDVDの作成・提供なども予定しています。鑑賞機会が増えることにより、映画・映像業界やアーカイブの次世代を担う若い人材の育成にも貢献できることを願っています。
本プロジェクトではウェブサイトを通じて、磁気テープ原版映画のデジタルファイル化にかかわる課題や作業、国立映画アーカイブの活動もご紹介し、また、磁気テープの映像に関して課題を抱えている多くの皆様、映画映像アーカイブにご関心をお持ちの皆様にも情報を提供していく予定です。磁気テープの映画遺産救出プロジェクトへの皆さまのご参加、ご支援をお願い致します。